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物置で探し物をしていたらクマのぬいぐるみを見つけた
それは幼い頃に親か誰かに買ってもらったぬいぐるみだった
それでよく遊んでいたような記憶が、おぼろげながら、ある
寝る時も、何処かへ出かける時も持ち歩いていたような気がする
今見るそのぬいぐるみは相当ボロボロになってしまっていた
噛んだ跡や引っ張った跡がいたるところにあった
体中の生地は薄汚れており、そして色褪せていた
腕や耳はちぎれかかっており、そこから白いわたがのぞいていた
時には放り投げられもしたのだろう
時には踏み潰されもしたのだろう
時には押し入れの中に何日も置き去りにもされたのだろう
やがて忘れられ物置に移動されそれからずっと放置され・・・
笑うこともない しゃべることもない
無表情だがその顔に何とも言えない懐かしさを感じた
無機質だがその姿に何とも言えない愛おしさを感じた
幼少の頃の記憶が蘇る中、そのぬいぐるみが涙で霞む
なぜクマが好きなのだろう
イヌやネコでなく明らかにクマに傾倒する
その一因が懐かしさの中にあるような気がこの時から少ししている
野生の熊の社会性の薄い生態にさえもどことなく懐かしさを感じる
クマは僕にとってなんとなく特別なんだよな
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ガオーッ
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